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FAエンジニアとは?将来性と年収アップ方法を現役エンジニアが解説します

「FAエンジニアの仕事内容や年収について知りたい」
「FAエンジニアの経験を、今の会社以外でもっと活かしたい」
こんな疑問やお悩みをお持ちではないでしょうか?
本記事では次の内容について、FA業界で10年以上働いている筆者がわかりやすく解説します。

・FAエンジニアの仕事内容について
・FAエンジニアの年収や将来性について
・FAエンジニアの年収アップ方法3選
FAエンジニアについてより深く知りたい方、FAエンジニアとして今より活躍したいという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

FAエンジニアとは

FAとはFactory Automation(工場自動化)の略称であり、FAエンジニアとは工場の自動化を専門とするエンジニアのことをいいます。FAエンジニアの主な仕事内容は、工場内の生産設備や製造ラインに導入される装置を設計・開発・導入することです。
工場の自動化で使われる装置は、さまざまな分野の知識・技術が必要です。FAエンジニアはそれぞれ専門性を持っており、おおむね次の4つに分類できます。

機械(メカ)設計者

機械設計者は、装置の構造設計に関わる仕事をします。装置の機械的な要件や仕様を理解し、装置を構成する各部品の形状・寸法などを決定します。メカ設計者と呼ばれることもあります。

電気設計者

電気設計者は、装置の電気系統に関わる仕事をします。装置の電気的な要件や仕様(各機器の電源電圧など)を理解し、CADを用いて電気系統の配線図を作成します。
また、装置内の各機器に電源を分配するための制御盤の設計や、装置全体の動作を制御するPLC(Programmable Logic Controller)のプログラムの作成も行います。

制御設計者

制御設計者は、装置の制御全般に関わる仕事をします。装置についているセンサーやビジョンなどのデータを使ってPLCやマイコン、産業用PCのプログラムを作成します。
FAエンジニアにおける電気設計者と制御設計者の領域はややあいまいです。小規模な装置であれば、電気設計と制御設計を兼任することがあります。近年では、機器の高性能化により分業がすすみ、大規模な装置やソフトウェアを活用する装置においては制御設計者の活躍する領域が広がっているといえます。

ロボットエンジニア

ロボットエンジニアは、産業用ロボットを使って生産現場を自動化する仕事をします。産業用ロボットに動きを覚えさせるために、ティーチングという手法が使われています。ロボットエンジニアはティーチングでロボットの動作を作り、PLCやビジョンと連携したロボットのプログラムを作成します。ロボットエンジニアはロボットを使いこなすプロフェッショナルといえます。

FAエンジニアの年収

FAエンジニアの年収レンジは400万円~800万円付近といえます。これは、マイナビ転職の求人情報で、職種をFAエンジニアの仕事内容に指定して検索すると、この範囲に収まる求人が多かったことを根拠にしています。

参考URL:https://tenshoku.mynavi.jp/engineer/list/o17320+o17420+o17520+o17820/

FAエンジニアの多くはメーカーに就職し、その製造部門や生産技術部門に配属されることになります。求人情報・転職サイトのdodaによると、2022年の業種別の平均年収ランキングにおいてメーカーは2位(453万円)となっており、相対的に収入は高い業種です。

参考URL:https://doda.jp/guide/heikin/gyousyu/

FAエンジニアの将来性が高いと言える3つの理由

結論から言うと、FAエンジニアの需要は高まっており、将来性が高い職業です。ここでは、FAエンジニアの将来性が高い3つの理由を解説します。

理由1:自動化の需要が世界的に増大している

新興国における人件費の上昇、労働人口減少による人手不足の懸念から、工場の生産工程を自動化したいという需要は高まっています。自動化において、生産設備や産業用ロボットは重要な役割を占めています。それらを設計・開発・製造するFAエンジニアの需要は高いといえます。
2012年から2017年までの間、産業用ロボットの売上は増加の傾向で、その年平均成長率(CAGR)は19%です。将来的にも産業用ロボットの市場拡大トレンドは続くといわれています。このようなデータからも、自動化の需要は高まっていることがわかります。

参考文献:Executive Summary World Robotics 2018 Industrial Robots

ロボットを生産現場に導入するシステムインテグレータにおいても、その市場は拡大しています。詳しくは、次の関連記事をご参照ください。

理由2:AIやIoTの進化による新しい領域での仕事が増える

近年、AI(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)の技術が急速に進化しています。これにより、AIやIoTを使って生産性向上を目的としたシステムの開発や導入を行いたい企業が増えています。これらの新しい技術や設備の導入が期待されている中で、FAエンジニアの需要は今後ますます拡大することが予想されます。
これらの技術には、AIを実装するためのソフトウェア技術や、データを集めて分析する統計手法などのスキルが要求されます。これらのスキルは従来のFAエンジニアが扱ってこなかったものです。新しい技術を学んで実践したいという技術者にとっては、FAエンジニアは成長する良い機会といえます。

理由3:生産現場の国内回帰によるFAエンジニアの需要増が予想される

海外の人件費の上昇や、サプライチェーンの分断リスク回避を背景に、製造業の工場の国内回帰が近年のトレンドになっています。たとえば、油圧機器大手メーカーのカヤバは自動車部品の生産の一部を北米から日本に移すことを決めました。

参考文献(車部品生産が国内回帰 カヤバは北米から 供給網安定に、日本経済新聞、2023年2月20日)

工場が日本に戻ってくれば、FAエンジニアの需要が増え、これらの求人が増えることが予想できます。

FAエンジニアの年収を上げる方法

前述したようにFAエンジニアが属する業種は比較的年収が高いですが、ここではFAエンジニアがさらに年収を上げる方法3選を解説します。

年収アップ方法1:管理職へのキャリアアップを目指す

年収を上げるにはFAエンジニアのメンバーを束ねる管理職にキャリアアップする方法が考えられます。課長以上の管理職になれば、メーカーでは多くの企業で1,000万円以上の年収が狙えるでしょう。
今の会社に所属していて大きな不満がない、自分の仕事ぶりが評価されている、自身の強みが発揮できていると考えている方は、管理職へのキャリアアップは比較的再現性の高い選択肢となります。

年収アップ方法2:高収益の業界・会社に転職する

会社員は、所属している企業によって年収のレンジが決まる働き方です。その中で年収をアップしたいのであれば、高収益の業界・会社に転職するという方法があります。
年収アップを目的とした転職のポイントは、市場が拡大している・利益が出ている業界に注目することです。メーカーにおける高収益の業界は、たとえば自動車業界、半導体業界があります。また、ニッチトップと呼ばれる企業や、ビジネスモデルを工夫していて高収益を上げている企業に注目するのも良いです。
今の会社の給与が低くて悩んでいる、または将来性に不安がある方は、上記の視点で転職を検討されることをおすすめします。

まとめ

この記事では「FAエンジニアの仕事内容、FAエンジニアの年収・将来性、年収アップ方法3選」を解説しました。
工場の国内回帰などを背景として、FAエンジニアの需要は増えています。ものづくりに興味のある方、工学系の専攻を仕事を活かしたい高専生・大学生の方にとって、年収も比較的高く将来性のあるFAエンジニアはぜひ検討したい仕事といえます。

・FAエンジニアとしてご自身の専門性・スキルを持っている
・今の会社以外のお客様ともお仕事をしたい
・副業としてFAエンジニアの仕事を探してみたい

このように考えている方は、ぜひOtokogi合同会社に無料相談してみてください。